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「子供に父親を作ってあげないと」と思い込んでいませんか?
シングルマザー、シングルファザーの家庭が増え、今ではそれほど珍しくなくなったとはいえ、
まだまだ「ひとり親」家庭への偏見は根強く残っています。
特に、未だご近所付き合いが盛んな地方などでは、その傾向が顕著です。
この記事を書いている私も、地方都市でシングルマザーの家庭で育ちましたが、
悲しいことに、親子でご近所の好奇の目に晒されたり、
「お父さんいなくて寂しいね?」
といった配慮のない言葉を投げかけられたことすらありました。
もちろん、心ない隣人たちには怒りも覚えましたし、
不快な思いも数知れずさせられましたが、
実は、それと同じか、それ以上に私を苦しめたものがあります。
それは、母がしばしば口にした、
「父親がいないと、子供がマトモに育たない。父親を見つけるか、自分が父親代わりをしないといけない」
という言葉でした。
大人から見れば、父親がいないというのは「かわいそう」なことに見えるのは仕方ないかもしれません。
しかし、この認識は、大人の独りよがりなものであることを、まず理解してください。
当の子供からすれば、「父親がいない」のが当たり前のことで、不幸なことだとは思っていません。
それなのに、周りの大人たちから「父親がいなくてかわいそうだね」という認識を押し付けられることで、
「ああ、自分はそうは思ってなかったけど、かわいそうに見えているんだな」と感じ、それが子供を苦しめるのです。
もし、あなたが再婚を考えているなら、
「両親揃っていないと、子供がかわいそうだから」という気持ちが、頭のどこかにないか、今一度確認してみてください。
再婚するなら、子供を「子供扱い」せず、しっかりと話し合ってください。
子供は、親が思っている以上に、親のことをよく見ています。
子供だから話してもわからないだろうとか、まだ理解できないだろうと、つい考えてしまいがちですが、子連れ再婚するなら、決して、子供を「子供扱い」してはいけません。
子供だって、立派な家族の一員です。
再婚で生活が変わると、少なからず影響を受け、迷惑をかけてしまうものです。
「子供だから言うことを聞け!」というスタンスではなく、あくまで対等に扱い、
納得のいくまで話し合う必要があるということを、どうか忘れないで下さい。
再婚相手を受け入れる準備が出来ているか、時間をかけて見極めてください
子連れの親としては、再婚相手と自分の子供が、早く仲良くなって家族に馴染んでくれるよう、
一緒に話す機会を作ったり、みんなで休みの日に出掛けてみたり、色々と工夫をすると思います。
しかし、そもそも再婚相手と会うことすら嫌がり、拒否する子供だって少なくありません。
そんな時に、ムリに再婚相手と会わせ、話すように仕向けたり、ひどい場合は叱りつけたりしてしまう人がいますが、これをすると全くの逆効果となってしまうことを肝に銘じてください。
子供の気持ちの整理がついていないまま、無理矢理に再婚相手と引きあわせても、ますます混乱したり、相手を拒絶してしまうものです。
もどかしく感じるかもしれませんが、どれだけ時間がかかったとしても、子供の気持ちの準備ができていない間は、無理に話を進めたりしないことです。
焦る必要はありません。子供の気持ちに、じっくり向き合ってください。

個人的には、幼いころも、親の再婚にはそれほど抵抗は無く、子供心に「再婚することで、母が楽になるなら、一向に構わない!」と考えることの方が多かったように思います。
また、成人して独立し、親元を離れた今となっては、むしろ誰かいい人を見つけて再婚してくれたほうが、ひとりで居るより安心なのでありがたいくらいです。
再婚は、お子さんがまだ幼かったり、思春期の多感な時期であれば、再婚は非常に大きなショックを与えかねません。
しかし、ある程度精神的に自立して、親にも親の人生があるということをわかってくる年頃になると、きちんと話を通しさえすれば、再婚して新たな幸せを見つけることを暖かく応援し、歓迎してくれることでしょう。
子供だって、お父さん、お母さんが幸せでいてくれる方が、嬉しいに決まっているのですから。